脂肪酸スキンケア

オイルの使い方しだいで、年齢肌、トラブル肌を効果的に改善させることができます。

栄養

1 皮膚の基礎組織まで栄養が充分にいっていない

 ・毛細血管の血行不良 → ビタミンE


2 肝細胞の働きに関わるホルモンが足りない

 ・ホルモン分泌に関わる栄養素の
補給 → トリプトファン、グリシン、ビタミンB6
 
生活改善


3 皮膚細胞の活動に必要な栄養素が足りない

 ・材料となる栄養素の補給 → アミノ酸、ビタミンA、ビタミンC、亜鉛


4 バリア機能となるものの生成が足りない → 脂質、抗酸化物質



5 神経の過敏な反応を抑える → カルシウム、マグネシウム、腸内細菌、ビタミンB群





 
【ビタミン】
 食事で摂った様々な栄養素をうまく細胞の生成に繋げるには、ビタミンの作用が不可欠です。しかし、ひとくちにビタミンといっても、その数は何種類にも及びますので、ここでは、皮膚のために摂取をとくに心がけたいビタミンをいくつかご紹介します。

【ミネラル】
 正常な細胞活動のためには不可欠な要素であるのがミネラルです。皮膚細胞に不可欠な主なミネラルをご紹介します。


    【ビタミンE】
     抗酸化作用があり、老化を防ぎます。また、血流の流れを良くします。ビタミンEも脂溶性ビタミンに分類され、油にとける性質があります。しかも、抗酸化力が強く、溶け込んだ油脂自体の酸化の進行を抑えてくれます。ですから、油脂製品などには酸化防止剤として、加えられていたりします。
     人体に吸収された場合においても、この作用があります。つまり、私たちの体にある脂肪の酸化を防いでくれるのです。人体の細胞は、同じく体内で発生する活性酸素によって傷つけられ、劣化します。肌も同じ用に活性酸素の影響を受け、ダメージを受けます。ビタミンEは、この活性酸素の働きを抑え肌の老化を防ぐ作用があります。(活性酸素については、後述の抗酸化物質の項で改めて説明します。)ビタミンEは水溶性ビタミンであるビタミンCとの相性がよく、一緒に摂ると相乗効果があるとされています。

    ・サプリメントについて
     ビタミンEのサプリメントも多く販売されています。脂溶性ビタミンですから、多くの場合、植物性の油脂にビタミンEを添加し、カプセルにしたものが多いのではないでしょうか。ビタミンAほどの危険性はないとされますが、同じく脂溶性であるビタミンEは体内に蓄積しやすく、過剰摂取は禁物です。近年では、過剰な摂取で骨粗鬆症の危険が高まる、との報告もあります。必ず用量は守るようにしましょう。

    多く含む食品:ナッツ類、ゴマ油、かつお・まぐろ、etc.

4 ホルモンのもとになる栄養素

皮膚組織を構成する細胞をつくるには、それぞれの細胞や幹細胞の働きを促進する成長因子や増殖因子が充分に生成されている必要があります。
中でも、脳で生成される成長ホルモンは肝臓で代謝され、皮膚組織の細胞活動を促進する成長因子の原料となるので、充分な分泌量がほしいところです。
また女性においては、いわゆる女性ホルモンの影響が大きく、子宮のメンテナンスサイクルにあわせて、皮膚のメンテナンスもおこなわれるシステムになっています。
さらに、もっと間接的になりますが、成長ホルモン分泌には睡眠が欠かせない要素となり、睡眠を支援する栄養素を摂ることも、ひいてはホルモン分泌を円滑にする重要な要素になるといえます。

成長ホルモンは、主にアミノ酸、女性ホルモンは主にコレステロールから生成されるため、基本的な3大栄養素をきちんと摂ることで賄えるでしょう。
ここでは、よりよい睡眠を支援する、とされる3つの栄養素をご紹介します。

【トリプトファン】
体内時計のシステムに関与するメラトニンの原料となります。
牛乳やバナナなどに多く含まれます。

【グリシン】
エビやタコ、魚にも含まれる比較的ありふれたアミノ酸です。
しかし、神経を安定させ、スムーズな入眠を支援するとされています。

【ビタミンB6】
同じく、神経の働きに関わるとされています。

【アミノ酸】
 人間の肉体は、主にタンパク質で出来ています。皮膚組織を構成しているのもタンパク質が主成分です。ですから、健康な皮膚のためにタンパク質を食事で摂取することは大切です。
 特に、人間の体内では合成できない「必須アミノ酸」を含む食材をとることは大切なポイントです。アミノ酸とは、タンパク質の構成分子で、その種類は20種に及びます。そのうち、9種は人間の体内では合成することができず、食事で摂る事が生命維持のうえで必要です。
9種類のアミノ酸にはフェニルアラニン、ロイシン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、イソロイシン、リジン、スレオニン、トリプトファンがあります。
    ・効率のよいタンパク源とは
     食事で摂り込んだタンパク質は、消化の過程で分解され、人体に必要な蛋白質に合成しなおし、使用されます。その際、人体で利用する形に近いアミノ酸組成になっているタンパク質ほど効率よく使用できることがわかっています。これをいわゆる「良質なタンパク質」と言ったりしますが、人体にとって良質かどうかを判断する上で、指標になるもののなかに「アミノ酸スコア」というものがあります。人体に必要とされる必須アミノ酸と、食品の必須アミノ酸の構成を比較した数値で100に近いものほど「良い」とされます。
    アミノ酸スコアが100とされる食品には、鶏卵、牛乳、アジ、イワシ、サケ、牛肉(サーロイン)、豚肉(ロース)、鶏肉(むね)、鶏レバーなどがあります。


    ・一日の摂取量
    タンパク質の1日の摂取量のめやすは、体重によって異なります。成人の場合、体重の1.1~1.2gとされています。
    例)体重50kgの人なら、男女とも55~60gのタンパク質が必要ということになります。

    ・サプリメントのについて
     化粧品にも配合され、近年では健康食品でも人気のあるコラーゲンもタンパク質の一種です。体内のタンパク質の30~40%をしめるとされていて、細胞や組織を繋ぎ合わせる働きをしています。また、骨にカルシウムが定着するのを助け、骨を丈夫にします。
     サプリメントなどでコラーゲンを摂取すれば、シワやタルミをたちどころに消してくれるように思いますが、口から摂取したコラーゲンは食品ですから、他の食物と同じように消化され腸管で吸収され、体内で必要な形へと変化し、使用されます。必ずしも気になる顔のシワやタルミを集中的に補修してくれるわけではありません。なにより、口から摂取したコラーゲンが人体内においても再びコラーゲンとなるとは限らないのです。
     ただし、摂取したコラーゲンから得られるペプチドが、損傷した線維芽細胞を刺激し再生を促進する働きがあることから、最終的に皮膚によい効果をもたらすことは考えられることです。また、効果的にコラーゲンの合成を促進するには、ビタミンCを摂取することが大切です。

    ・おすすめのタンパク質摂取法
    肉類、魚類、鶏卵などが、タンパク質を豊富に含んでいますが、脂質も多いため、量に注意します。大豆製品はタンパク質の割合が高く、おすすめです。しかし、こちらも偏った摂り方はしないように、野菜などと組み合わせて摂取します。



      【ビタミンA】
       ビタミンAは、上皮細胞のケラチン生成を促進させるため、粘膜や皮膚を丈夫にして、潤いを保ちます。ビタミンAは、脂溶性のビタミンです。そのため、油脂と一緒にとると吸収率があがります。ただし、注意するべき点があります。それは、あまりとりすぎるとかえって体にはよくない作用がある、ということです。ビタミンAとなる栄養素は、動物性の食物にも、植物性の食物にも含まれています。動物性食物に含まれるビタミンAは、レチノールとも呼ばれます。人体においても吸収率や利用率が高いのが魅力ですが、過剰摂取すると、蓄積し、神経に障害をもたらす危険性があります。動物性のビタミンA(レチノール)の摂取量には一日分の上限が設定されていますから、これを超えないように気をつけましょう。
       これに対し、植物性のビタミンAであるカロテンはどうか、というと、こちらは、人体に入ってから、必要な分だけビタミンAに変換されますので、動物性のもののように上限値は設定されていません。ですから、安心して摂取を心がけられますね。カロテンの豊富な野菜を油と一緒に食べれば、ビタミンAを補給することができます。

      ・サプリメントについて
      サプリメントなどで摂取する際は容量や原料などを確認しましょう。


      ・おすすめのビタミンA摂取法

      多く含む食品:レバー、チーズが代表的な食品ですが、緑黄色野菜(かぼちゃ、ニンジン、小松菜、etc.)、のりにも多く含まれています。日頃から、色の濃い野菜、海草類を摂取しておきましょう。
     

      【ビタミンC】
       コラーゲン生成に関わる、皮膚には最も重要な栄養素のひとつです。

      多く含む食品:イチゴ、ブロッコリー、etc. 
     
      【亜鉛】
      細胞内の化学反応の触媒として幅広く関わっているとされるミネラルです。コラーゲンの生成に関わるので、皮膚においては特に重要です。亜鉛の摂取量は、銅の摂取量と拮抗するので、亜鉛を多くとるときは銅の量にも注意するといいでしょう。

      多く含む食品:牡蠣、ゴマ、etc.
     

【脂質】
 脂質は細胞を形成する細胞膜の材料になります。また、体内を制御するホルモンを合成するのにも必要です。皮脂となって、皮脂膜の構成要素にも利用されます。また、脂質の中でもコレステロールは細胞間脂質の材料にもなります。
脂質の摂取にはバランスが大事です。現代人は、油脂の摂取バランスが悪いとされていて、それが現代病の原因であるとする指摘もあります。
脂質は、主に脂肪酸やグリセリンといった成分で構成されます。この脂肪酸のなかで、必須脂肪酸と呼ばれるものは体内で合成できないため、必ず食事で摂取する必要があります。
近年、脂肪酸の中でも、オメガ3脂肪酸に属するαリノレン酸は、体内でDHA、EPAにも変換され、免疫バランスにも影響するため、摂取が呼びかけられています。細胞間脂質となるセラミドの生成にも関わっていて、摂取した脂質がセラミドの質を編成させ、皮膚状態に影響することもわかっています。 


3 皮膚のバリア機能強化のための栄養素

【抗酸化物質】
 ビタミン類の紹介の際にもふれましたが、皮膚において抗酸化物質の摂取は重要です。外部から体内を守るシールドである皮膚、また体内では、恒常性の働きの結果、活性酸素が発生しています。
この働きにより、紫外線は大気中の物質、細菌やウィルスなどの作用から身を守っているのですが、活性酸素は老化ももたらします。皮膚においてもそうで、活性酸素によって皮膚の細胞は活動を阻害されてしまいます。
活性酸素は私たちの体に必要ではあるものの細胞の機能を破壊し、老化の促進をしてしまうため、これを軽減する抗酸化物質の摂取が大切です。
ポリフェノールをはじめ、ビタミンCやEも強力な抗酸化力をもつ物質です。 

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