脂肪酸スキンケア

オイルの使い方しだいで、年齢肌、トラブル肌を効果的に改善させることができます。

新陳代謝

1 理想と現実 〜 自分本来のベストを求める

肌のコンディションは私たちのメンタル面で大いに影響しています。コンプレックスが消えて自信がつくと、人と会うことも楽しいし、積極的になることができます。私たちが皮膚の健康にこだわるのは、単に不快な症状を治したい、ということよりも、そうしたメンタルな面での大きな礎になっているからなのかもしれません。
 ところで、あなたにとって健康な皮膚とはどんな状態を指すのでしょう。白く、透明感のある肌でしょうか?それとも、少々日に焼けてもトラブルを起こさない強い肌でしょうか?吹き出物ができないような肌でしょうか?
私たちは、とかく「健康な皮膚」と「理想の皮膚」とを混同していることがあります。たとえば、あなたにとっての理想の肌を持つ人が違う人種の人だった場合、その違いが遺伝的な部分に由来するものであれば、どんな努力をしても同じ肌になるのはまず無理です。同じ人種であれば、かなり近くはなりますが、しかし、それでも個人差というのは大きいものです。兄弟、姉妹であっても、皮膚のタイプは異なっていて、まさに千差万別、と言えるのです。皮膚のタイプは個人個人で異なることをまず理解し、そのうえで、まずは自分にとってのベストな状態を目指すべきなのです。


2 皮膚の個人差はどこから

角層の保湿に重要な役割をしているものには、前述しましたように皮脂膜や、角層内部のNMF、細胞間脂質などがあり、スキンケア用品や化粧品のケアでも、これらを補って角層の乾燥を防ぐことが主眼になっています。
しかし、大人の皮膚が乾燥しやすいと言っても、その度合いには差がありますね。たとえば、気温の感じ易さが違うのに比例して、汗のかき易さが人によって異なります。汗をかき易い人や、皮脂が多い人はベタつき感を嫌がる人もいますが、汗や皮脂の出にくい人よりは、肌の保水力が高くなります。
汗や皮脂の分泌量は目に見える違いですので、すぐに差として思い浮かべることができますが、この他に、角層そのものの形成過程でも、人によって違いが見られます。つまり、角層のタンパク質や、NMF、細胞間脂質などの作り方が個人個人で少しずつ異なっていて、それが皮膚の個人差に繋がっているのです。

この差は、すなわち、私たちが両親から引き継いでいる遺伝情報の違いです。この遺伝情報に従って、細胞は生命活動を行うわけですが、生命とは長い歴史を生き抜くために、とにかく、さまざまな試行錯誤をしながら情報を伝えています。しかも、次世代に渡る際には、その都度、両親の情報を半分ずつミックスし、多様性を生むようにしているのです。つまり、私たち、ひとりひとりは、いわば遺伝情報のかけあわせによる試作品である、とも言えるのです。
このかけあわせた情報で生命活動をおこなった結果、表れてくる個人差が、いわゆる「体質」です。皮膚も体質によって、異なっています。

この体質が皮膚組織の形成過程に問題がある場合、たとえば、角層を構成するタンパク質の生成力が弱いとか、また皮膚組織内での細胞の成熟期間中に少ししか保水成分が生成できない人、などは、脆い角層や、乾いた角層しか作れないことになります。近年では、アトピー製皮膚炎患者のうち約25%に、フィラグリンというタンパク質がうまく形成されないパターンが発見された、という研究発表もされていて、しつこい皮膚症状の原因として先天的条件が関わっている可能性もあることが指摘されています。


3 皮膚のコンディションは、栄養状態で左右される

遺伝的な違いが皮膚の違いになることを述べましたが、実は、遺伝的な違いの他に、生活の違いも皮膚の状態に影響を与えます。中でも、栄養状態は皮膚のあり方に大きく反映されます。
角層を構築する角質細胞は、もとは基底膜から生まれますが、基底膜で新しい細胞を生み出すには、栄養や水分が充分に届いていることが必要です。これらは、私たちが食べたものが消化器官で消化吸収され、血流にのって組織まで届けられたものです。コラーゲンやエラスチンなどの、いわゆる支持成分をつくる肝細胞の活動にも栄養が必要です。

この栄養分に、たとえば、アミノ酸が少なければ、皮膚組織の主成分であるタンパク質の合成も少なくなることになります。ビタミンやミネラルは細胞活動にかかわっているため、不足すれば細胞の働きが充分にできないことになり、
本来なら生成されるはずのものが生成されないなどの現象が起きます。

皮膚については、何ら問題のない体質を持つ人でも、栄養の不足が原因となって脆い皮膚を作ってしまっている場合があるのです。ですから、困った皮膚症状が表れた場合、まず食生活を見直してみることも必要です。また、それとは逆に充分な栄養があることで、本来なら弱い皮膚しか構築できない体質の人でも、それがカバーされることもあります。
皮膚の問題は、体質が大前提にありながら、そこに適当な栄養が与えられているか否かで、症状の有無、あるいはレベルが大きく異なってきます。


4 肌の新陳代謝はホルモンによって、ホルモンは自律神経によって

細胞が生まれるためには、栄養が必要であることを述べましたが、実はもう一つ、重要なものがあります。それは、ホルモンです。ホルモンとは、私たちの体内で生成される物質で、いわば体内の組織や器官を制御するための連絡物質としての働きます。
実は栄養だけが豊富にあっても、皮膚を新しく生み出す基底膜や、組織内の肝細胞は働きません。ホルモンと呼ばれる物質から
活動に必要な因子を受け取ることで、はじめて細胞を生み出すための活動を始めるのです。新しい細胞が生まれることで、一番外にある角質は垢となって落ちますから、ホルモンの分泌が細胞の新陳代謝サイクルの直接の起点となっていると言ってもいいでしょう。

ホルモンは、私たちの体に備わる機能を、与えられた環境に適宜対応すべく、その都度コントロールするために分泌されます。しかし、このホルモンもまた、その分泌自体は、別のものにコントロールされています。それが、自律神経です。
自律神経は、私たちの考えでは、どうすることもできない神経組織で不随意神経とも呼ばれ、主に恒常性に関わっています。恒常性とは、体の健康状態を平衡に保とうとするシステムで、活動と修復をしながら、私たちが、遺伝子に組み込まれた「生物としての一生」を全うするのを支えます。

自律神経は、緊張を司る交感神経と、弛緩を司る副交感神経とで構成されていて、互いに相反する状態を支援します。交感神経は、緊張、すなわち、意識をはっきりさせ、思考や活動を活発化させるように働く神経で、そのためのホルモンを分泌して体を制御します。反対に、副交感神経は、弛緩、すなわち、体を休息させ、傷ついたり弱ったりしているところを修復するように働く神経で、やはり、そのためのホルモンを分泌して体を制御します。

私たちの生活は通常、1日のうちに、活動的な時間帯と休息する時間帯があり、それを交互に行い、繰り返しています。これらの強度や長さがバランスよく、またきちんと交互に行われる事で、自律神経の働きも整っていられ、かつ、私たちの生活リズムを支援するように、適宜ホルモンを分泌して支援します。しかし、不規則な生活が続くと、自律神経の働きは弱まり、本来分泌されるはずのホルモンも分泌されないことが起きて、健康に支障が出ることがあります。体をその時々に適したモードにするのを支える自律神経は、同時に体を守る防御システムをも司っているため、免疫の働きにも大きく関わっているのです。
リズムを意識して生活することは、
健康な皮膚状態の維持、ひいては体全体の健康の維持に繋がるのです。 
 

5 皮膚は代謝の状況を映す鏡でもある

 皮膚は、シールドとしての機能を主とする一方で、汗や皮脂を分泌し、古くなった角質細胞がはがれていく排泄器官としても見る事が出来ます。新陳代謝という生理現象のまさに現場である皮膚は、体内の代謝状況を克明に現わす器官でもあります。

新陳代謝の起点となるのは、新しい細胞の産生です。新しい細胞を産み出すためには、材料となる栄養が必要ですから、食事の状況が深く関わります。また、新陳代謝サイクルが円滑にまわるには、栄養だけでなく、自律神経のバランスや、ホルモン分泌なども影響してします。新しい細胞が基底層で生まれ、やがて角質細胞となり、最表面に出てはがれ落ちて行くまで、だいたい28日とされていて、これが次々行われています。このサイクルが停滞し、古い角質細胞がいつまでも皮膚の上にあると、乾燥し、固い肌となり、シワの原因となります。また、加齢によって、皮膚組織の細胞数や細胞活動を促進する成長因子の産生が減ることも、乾燥やバリア機能低下の原因となり、皮膚全体としての老化へと繋がって行きます。

 若々しい肌でいるには、新しい細胞を作り出し、古い細胞がはがれていくサイクル、すなわち「新陳代謝サイクル」を、どの過程においても滞りなく、回し続ける必要があります。先に述べたように、新陳代謝サイクルには、栄養状態とホルモン分泌が大きく関わってきます。栄養を摂り込むための「食事」と、ホルモン分泌に深く関わる「睡眠」を充分に取れる生活をしていれば、基本的には皮膚の健康を保つことができるはずです。
 しかし、忙しい毎日をこなす現代人の多くは、この基本的な条件を満たすことが出来ていないばかりか、この他にも多くの肌ストレスを受けているのです。  

6 健康な皮膚をつくる3つの要素

 では、ここで、健康な皮膚でいるための大前提をまとめてみようと思います。

 自律神経のバランスがとれていて、ホルモンの分泌に問題がなく、細胞の新陳代謝や皮脂分泌などがスムーズに行われていること。
 栄養がバランスよく、また量も充分に摂れていて、皮膚組織にきちんと届いていること。

これらが揃っていれば、基本的には皮膚は健康な状態に保たれるはずです。また、この状態こそが、あなたの皮膚の「ベストな状態」であるとも言えます。

では、この大前提を支えるために、私たちが生活のなかで気をつけるポイントをまとめてみましょう。

まずは、栄養、すなわち「食生活」です。次に、ホルモン分泌を司る自律神経のリズムを崩さないように生活すること。それも、出来れば、昼、夜のそれぞれの適した行動をきちんと行うことが望ましいのです。昼には「活動」を、夜には「睡眠」を行う、ということです。次の項では、これらについてさらに詳しくご紹介します。

<まとめ>
・食事
皮膚は体の一部。きちんと材料が揃わないと、健康な皮膚は出来上がらない。

・睡眠
新しい皮膚細胞の産生をする時間。新陳代謝を促す。

・適度な運動
自律神経バランスの均衡を支援する。さらにストレスを緩和する働きがある。 


2015.10.02.改訂 

1 栄養摂取は体全体のことを考えて 

ここからは、栄養についてご紹介しますが、口から取り入れた栄養は、まず生命の維持そのものに使われます。つまり、「生きる」ために使われるのです。私たちの細胞の活動には、エネルギーとしてATPという物質が必要です。これは、どの器官、組織の細胞でもそうです。ATPは、いわゆる3大栄養素(糖質、タンパク質、脂質)から生成されますから、これらは生命維持のためにどうしても不可欠だと言えます。中でも、糖質からはたくさんのATPを得られるため、とても効率のよいATP源であると言えます。そのうえで、さらに、それらの細胞が組織のなかで担う働きを行うために、必要な栄養素があります。それがビタミンやミネラルです。単に「生きる」ためだけに、ここまででいわゆる5大栄養素のすべてが登場したことになります。
皮膚を美しくしたい、という願望の前に、この「生きる」ために必要な要素がきちんと揃っていることが必要なのです。
皮膚は体の一部ですから、皮膚だけを美しくすることは無理なのです。



2 各国で研究される食事バランス

食事の栄養バランスは、現在、私たちの健康と寿命に大きく関わる要素として、非常に注目されています。世界各国で、医学的な根拠をもとにしながら、文化的な背景も含めて、健康を維持するためのバランスのよい食生活について研究されています。

日本では、食事バランスガイドというわかりやすい指針が示されており、まずはこれを参考に、あなたの食生活をはかってみるといいでしょう。

食事バランスガイド_イラスト

食事バランスガイドは、一日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかが一目でわかる食事の目安です。主食、副菜、主菜、牛乳・乳製品、果物の五グループの食品を組み合わせて、バランスよくとれるよう、コマにたとえてそれぞれの適量をイラストでわかりやすく示しています。


※食事バランスガイドは、農林水産省、厚生労働省によって作成された指針です。
詳しくはhttp://www.maff.go.jp/j/balance_guide/をご確認ください。




コラム:いろいろな食事の基準

食事バランスガイドを参考にすることで、自分の1日の食生活に何が足りなかったのか、あるいは、何を摂りすぎているのか、に気付くことができます。とくに、一人暮らしの方や、外食が多い方は、バランスガイドを念頭においてメニューを選択すれば、かなり理想の食事ができるでしょう。

しかし、料理を提供する側に立つと、バランスガイドだけでは、体によい食事作りの指標としては足りないことに気付きます。料理に用いる食材には、様々な属性があり、それを上手に組み合わせたり、適した調理、調味をすることでより食べ易く、また体に取り込みやすくできます。よい食事作りには、食材や栄養素の属性に関する知識も欠かせないのです。
この知識に、先ほどのバランスガイドが示すような量やバランスの知識をプラスして、はじめて、料理を提供する側に活かせる基準となります。

料理を担当する人にとって便利な指標としては、女子栄養大学が提唱する「四群点数法」が挙げられるのではないでしょうか。これは食材を4つのグループに分け、それぞれのグループごとに、全体の食事量のなかでの比率を定め、用意する、というものです。
「四群点数法」における、区分と比率はこのようなものです。
第1群:卵、乳・乳製品(主にカルシウムの補給源となる食材)
第2群:魚介、肉、豆・豆製品
(主にタンパク質、ミネラルの補給源となる食材)
第3群:野菜、芋、果物
(主にビタミン、ミネラルの補給源となる食材)
第4群:穀物、油脂、砂糖、嗜好品(主にエネルギーの補給源となる食材)
これらの比率を、3:3:3:11の比率で食事を摂ると、理想的である、としています。

この他にも食事に関する指標はたくさんあります。たとえば、学校などで給食や食事摂取の説明をする際には、「三色食品群」が多く使用されています。これは、食材のもつ働きに応じて、子供にもわかりやすく、グループごとの属性と色を組み合わせて説明しています。この他に、古くからの食事の知恵を伝えているものもあります。禅宗のお寺などでは食材の色を基準にグループにわけて説明しているものもあります。

食事の知恵は、場所や時代、また誰が対象かによって様々に培われてきましたが、どの指標も「いかに様々な食材をバランスよく摂るか」を目指していることがわかりますね。


2015.10.02改訂

睡眠は、傷ついた細胞を修復し、新しい細胞を生み出す時間

皮膚に必要な要素が揃ったところで、これらの要素を血流循環にのせ、必要な時に必要なだけ各部に届け、不要なものは排除する機構がきちんと働かなければ、効果はでてきません。
また、活動によって、私たちの体の細胞はストレスをうけたり、傷つけられることもあります。これらについても適宜対応しなければなりません。

私たちの体内に仕込まれている体内時計は、日中に行う生命活動と、これによるダメージを修復する夜間の休息活動の両方を、適した分量で行えるよう、コントロールしようとしています。体内時計は、地球上のほぼすべての生物の細胞にあるとされていて、この作用を逸脱して生きることはできません。

さて、この体内時計が司るのが、自律神経です。自律神経には、「交感神経」と「副交感神経」の二種類があり、それぞれが体の興奮と休息を司ります。
体内時計の支配による自律神経バランスは、私たちの生命活動の根幹を握る、重要かつ、私たちの意志ではコントロールできない神経機構です。
このバランスをとりながら、私たちは必要とされる時に、力を発揮し、必要でないときは、休むように設計されているのです。

皮膚細胞の産生は、このうち、おもに修復活動を行う夜間に行われます。副交感神経が優位の状態のときに分泌されるホルモンの作用により、皮膚の基底層で新しい細胞が作られます。

ホルモンの分泌は、自律神経のバランスによってその量がきまるため、ホルモン分泌自体も、本来私たちの直接のコントロールは受けないことになります。

睡眠は、行動様式としては、「休息」になりますが、次の活動期に向けた重要な準備活動のひとつなのです。
私たちは、その分泌そのものや量を自らコントロールはできませんが、しかし、「睡眠をとる」という行動を行うことが、この内分泌を起こすことになりますから、努めて、睡眠をとるよう心がける必要があるわけです。

睡眠とは「疲れたから」というよりも、「次の活動のために」という、きわめてポジティブな行動だといえるのです。

夜間のホルモン分泌が行われ、新しい細胞が生まれた皮膚組織は、自然に古い角質細胞がはがれ、美しい皮膚へと生まれ変わっているのです。

【皮膚に大切な睡眠中のホルモン】
・成長ホルモン:細胞の代謝を活発化させ肌の生まれ変わりをサポートする
・コルチゾル:主に血圧に関与するホルモン。皮膚細胞の修復もおこなう。


コラム 光に支配されている体内時計

体内時計ですが、その起源は古く、生命の発生の時代までさかのぼる、といわれています。
この体内時計は、もともと深海で生まれた細胞が、生存エリアを拡大するにあたり、細胞内の情報物質であるDNAを守るため、太陽の有害な紫外線を避けるためのデータを得たことから発生したと言われています。

また、光合成を行う細胞に依存するようになると、今度は光がさしている時に生産される栄養分をもとめて行動しなければならなくなるわけです。それが、やがて、日中の行動様式と、夜間の行動様式を区別するもとになったかもしれません。

とにかく、原始生物時代からある、この体内時計は、今を生きる私たちの体にも備わり、恒常性の維持に大きく関わっています。

私たちの体の体内時計は、主に時計遺伝子によって発現します。その大元は、私たちの目の奥にある視床下部にいるわけですが、この目の奥、という場所がキーになります。つまり、目からうける光の強さによって、体内時計を操作しようとしているわけです。

体内時計は今でも、光に対しての警戒をゆるめず、私たちを守ろうとしているのかもしれません。
 

女性イラスト第1章_2

日中の活動と運動

さて、睡眠においては、副交感神経優位の活動である、と説明しました。
それに対し、起きて、活動する日中の時間は、交感神経優位の活動のための時間である、といえます。
交感神経優位、というと、「興奮や緊張」を司る、という言葉から、非常にアグレッシブな状態であるかのように感じる方もあるかもしれませんが、そうではなく、もっとベーシックな部分での意味だと思ってください。
私たちは、非睡眠時、どうなっているか、というと、眠っていないわけですから、「起きている」、ということになります。この起きている、という状況を、もっと詳しく言えば、「意識をもった状態」になっている、ということです。
意識を持っている状態は、脳が活性化し、血流を促進させ、様々な神経も敏感になった状態です。これにより、私たちの、起きている時の呼吸量は、眠っている時よりもはるかに多くなっているのです。
筋肉運動をしていなくとも、意識を伴う脳活動が起きるだけで、私たちはかなりのエネルギーを使います。
大きな脳を持つ人間によって、感じたり、考えたりするために、脳を活動させることも、生命活動の一環だといえます。

さて、しかしながら、筋肉運動が全くなくてもいいか、というとそうではありません。
備わった肉体は、使われなければ機能は衰えて行きます。また筋肉の運動による負荷は、全身の血流を促進し、結果、全身の新陳代謝を支援する大きな役割をもちます。
筋肉を動かす運動神経は、私たちがコントロールすることのできる神経のひとつで、随意神経に属します。
これに対し、自律神経のようなコントロールできない神経を不随意神経と呼びます。
これらは、脳を中枢として、集められた情報に適宜対応し、肉体を守るよう働いています。
脳は、判断する場でもありますが、多くの神経が互いの情報交換する場でもあります。

日中の活動量が多ければ、早めに眠くなるのは、これらの神経が互いに独立しているのではなく、それぞれの役割を果たしているからに他なりません。
つまり、自律神経がバランスをとるためには、中枢となる時計遺伝子だけでなく、その個体自体のデータにもよるため、運動神経や感覚神経などから脳に集められたデータも関わっているのです。

よりよい睡眠には、それを誘う副交感神経への偏りが必要になります。これが充分にできないと、睡眠障害などの深刻な症状に繋がります。
副交感神経への偏りを起こすには、反対に交感神経側に傾く時間が充分にあることも必要です。
そのためには、脳活動だけでなく、充分な筋肉活動もあることが望ましいのです。

よりよい睡眠には、充分な脳活動と筋肉活動が必要なのです。


コラム スポーツのストレス緩和効果

よりよい睡眠は、ホルモン分泌を促進し、肌の生まれ変わりを促します。
とくに新しい細胞の生成に関わるのは、成長ホルモンとよばれるホルモンです。
しかし、実は、成長ホルモンの分泌は、睡眠中が主体ではあるが、日中の活動中においても、ゼロになるわけではないことが解っています。活動が活発に行われると、日中でも、分泌されるのです。
適度な運動が、若さを引き出してくれるのは、そのせいもあるのかもしれません。


さらに、適度な運動、つまり、心をすり減らして、競ったり、鍛えたりするのではなく、ある程度、心の余裕がある範囲で行うような運動、たとえば、同じ動作を同じ間隔で繰り返すような運動を行うと、脳内では、セロトニンというホルモンが分泌されます。
このホルモンは、心の安定をもたらすとされていて、精神の健康のうえで注目されるものです。

ストレスが貯まると、交感神経優位の状態を必要以上に維持してしまいます。
すると、交感神経優位の状態の継続は、皮脂の過剰な分泌に繋がったり、副交感神経が司る修復機能が充分に行われない、などの皮膚への影響が出てきます。このため、ストレスは美肌の大敵なのです。

セロトニンは、このストレスによる疲労を緩和する作用があり、ひいては肌にもいい、と結びつけられるのです。

このような気軽な運動、たとえばリズムにのって軽くダンスをすることなどは、体だけでなく脳にもいいわけです。
さらに、音などの刺激がなくとも、例えばウォーキングや、ジョギング、サイクリングも、同じ動作を繰り返します運動ですから、効果的だといえます。

運動にはインドア、アウトドアありますが、その都度気分にあわせて、スポーツも選ぶと、気晴らし効果もあってオススメです。
 

↑このページのトップヘ