脂肪酸スキンケア

オイルの使い方しだいで、年齢肌、トラブル肌を効果的に改善させることができます。

脂肪酸スキンケア:実践編[保湿]

人間の皮脂構成成分を参考に
では、いよいよオイルを選び、スキンケアに利用してみましょう。トラブル無くとりいれるには、人間の皮脂膜の成分として多くまれるものから、候補にあげていきましょう。

皮脂成分に含まれる脂肪酸は、個人差はあるものの、ほぼ、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸が上位3つを占めています。このうち、最上位のオレイン酸が一番取り入れ易い脂肪酸であると言えるでしょう。

オレイン酸を多く含むオイルとしては、オリーブオイル、アーモンドオイル、椿オイルなどがあり、比較的手に入れ易いオイルであることも理由のひとつに挙げられるかもしれません。
なお、2、3位であるリノール酸とパルミチン酸についても、少し注意点はありますが、取り入れることはできますので、後で少し紹介しましょう。

女性イラスト第2章

オレイン酸(C18H34O2)の補給でしっとり保湿

 オレイン酸

オレイン酸は肌に塗るとしっとりとした使用感で、保湿効果に優れています。
また、皮膚常在菌を増やす効果もあるため、皮膚のバリア機能強化が狙えます。

[オレイン酸含有量が多く、オレイン酸による効果が狙えるオイル]
・オリーブオイル
 イタリアを中心とする地中海域で古くから愛されて来たオイルです。
 エキストラバージンオイル、バージンオイル、ピュアオイルとがありますが、もっとも多くの成分を含むのは、エキストラバージンです。しかし、香りが強いため、化粧用に用いる場合は、これを薄くしてあるものが用いられます。


・スイートアーモンドオイル
香ばしい香りで、料理にもよく用いられます。またノンコレステロールでもあります。
スキンケアにおいては、保湿力の高さから、マッサージ、バスオイル、石鹸の材料などにも用いられます。 


・ツバキオイル
 ツバキは照葉樹であり、温帯気候に属する日本には多く棲息している、なじみのある植物です。したがって、生産量もあります。同じツバキ属であるお茶の栽培も盛んで、お茶の実の油もあり、組成は似ています。


・ヘーゼルナッツオイル
 食用としてはフランス料理にはよくつかわれるオイルです。ノンコレステロールなので、健康に関心のある方に選ばれています。 スキンケアでの使用においては、肌触りの軽さからマッサージやバスオイルとしても使用されてきました。


・アボカドオイル
オリーブオイルよりも熱に強く、加熱調理しても栄養の損失が少ないとされています。スキンケアに用いる際は、すこし重い使用感なので、他の軽いオイルと混ぜて使われます。


・マカデミアナッツオイル
酸化しにくく、料理の他、マッサージにも用いられます。
オレイン酸の他に、パルミトレイン酸も多く含むのが特徴で、美容の面で非常に注目されています。


・茶の実オイル
 ツバキ科の山茶の実を絞ってとる油です。 オリーブオイルよりもオレイン酸を多く含む、というデータもあり、酸化もしにくい特徴があります。強いクセがなく、料理に用いられる一方、マッサージにも使えます。


オーナーのおすすめ
最もポピュラーなのはオリーブオイルですが、ここでは椿の実のオイル、カメリアオイルをおすすめしようと思います。さらっとした使用感で、しっとりします。  

リノール酸(C18H32O2)もしっとり成分。でも酸化に注意

リノール酸
 

オレイン酸に次いで、皮脂に多い脂肪酸であるリノール酸も取り入れ易い脂肪酸です。また延び易い成分なので、使用感もいいでしょう。
しかし、酸化しやすいため、量には注意が必要です。酸化した脂肪酸は皮膚の老化を招き、シワやシミなどの原因になります。

[リノール酸含有量が多く、リノール酸による効果が狙えるオイル]

・月見草オイル
月見草の主旨からとれる油で、リノール酸が多く、一方、γリノレン酸においても、他のオイルより多いのが特徴です。食用でも使えますが、スキンケア用に用いられることの多い油です。


・クルミオイル(ウォルナッツオイル)
香ばしい香りで食用によく用いられます。リノール酸が多く、またαリノレン酸も含むので、スキンケア用にも用いられます。 


・パンプキンシードオイル(カボチャ種子オイル)
カボチャの種からとれる油です。リノール酸の含有量が多い一方、ベータカロテン、ビタミンEも多いのが特徴です。


・セサミオイル(ごま油)
ゴマからとれる油です。リグナンという成分によって、酸化しにくい特徴があり、古くから食用にもスキンケア用にも用いられてきました。 


・ローズヒップオイル
ローズヒップの実からとれる油です。リノール酸の他にビタミンCが豊富で、食用よりもスキンケア用として非常に注目されています。


・ククイナッツオイル
ハワイではポピュラーなオイルで、ククイナッツからとれる油です。 リノール酸以外にも、γリノレン酸を含み、酸化にもつよい性質をもつので、食用のほかスキンケア用にも用いられます。


オーナーのおすすめ 
保湿を考えた場合、オレイン酸が筆頭になりますが、リノール酸を敢えて使うのであれば、ローズヒップが一番おすすめです。

ほどよい堅さ、ネバリが欲しいならパルミチン酸(C16H32O2)を

パルミチン酸


3番目に多く含まれる脂肪酸であるパルミチン酸も皮膚の保水に大きく貢献できる成分です。
パルミチン酸は飽和脂肪酸に属しますから、バターやラードのように、室温では固形です。皮膚などに乗せるとベタベタした油脂です。
パルミチン酸を多く含むオイルとしては、パーム油があります。また少し割合が減りますが、コメヌカ油にも含まれています。
パーム油は保湿効果が高いので、様々なスキンケア商品の材料になっています。また、食品としてもスナック菓子などの揚げ油に使用されていて、パーム油自体はスーパーに並んでいなくとも、自然に生活の中で出遭う機会の多い油脂です。

[パルミチン酸含有量が多く、パルミチン酸による効果が狙えるオイル]
・パーム油(パーム核油です。ココナッツオイルとは異なります)
熱帯地方に生息するパームやしの果実から取られたオイルです。


・コメヌカ油
米の胚芽部分に含まれるオイルで、米を精米する際に取り出したものです。
熱や酸化に強く、揚げ物用に業務用の食用としても多く用いられています。
パルミチン酸が多いのが特徴ですが、オレイン酸も多く含まれ、スキンケア用としても広くしようされています。


・ラード(豚脂)
豚の脂で、常温では固形です。飽和脂肪酸が多いので、ベタつきますが、動物性なので、植物性オイルよりも、浸透成分が長く留まってくれる感触があります。
豚は、脂だけでなく、コラーゲンなどにおいても人間のそれを似た組成をもつものが多く、美容分野においてもよく用いられる原料です。


・ヘット(牛脂)
牛の脂です。


オーナーのおすすめ
パルミチン酸はかたいオイルなので、軽いオイルに加えたり、あとは極度の乾燥肌をパックする感じで用いられることがほとんどです。保湿目的でパルミチン酸を主役として選ぶなら、コメヌカ油、すなわちライスオイルが一番おすすめです。γオイノールという成分もあり、大変しっとりさせてくれます。

 

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