近年、オイルスキンケアによる抗菌を私は非常に注目してきたのですが、最近、とくに気になっているのが、私たちの皮膚組織、いえ、体の各部でも活躍している抗菌物質があるのですが、それが「抗菌ペプチド」と呼ばれるものです。

生物の体には、たいてい、命を守るための機能が備わっています。そういった機能を「免疫機能」としてひとまとめに言ったりしますが、人間ほどの複雑なしくみをもっていない生物でも、他者の侵略を防ぐしくみはもっています。そういったしくみの中でも、最も原始的なものに、抗菌物質の生成、分泌があります。命の最小単位である、細胞自体にそういった、他者の侵入をこばむ物質「抗菌ペプチド」をつくる機能があるのです。どういう物質を作るかは、その生命体や細胞によって異なりますが、人間の体内で主に活躍している抗菌ペプチドには「α-ディフェンシン(
defensin)」「β-ディフェンシン」「カテリシジン(Cathelicidin)」「ダームシジン(dermcidin)」などがあります。

このうち、皮膚の抗菌を司るのが、β-ディフェンシン、カテリシジン、ダームシジンで、皮膚組織のなかで形成され、汗や皮脂にまざって皮膚上に分泌され、皮膚に付着した有害な菌を殺しています。
この物質を作る力が、先天的に、あるいは
老化やストレスなどで小さくなったりすると、抗菌ペプチドが充分に皮膚上にない状態になり、付着した有害な菌や微生物が繁殖、皮膚炎などの原因となるのでは、と考えられているのです。事実、アトピー性皮膚炎などの人の皮膚には抗菌ペプチドの分泌が充分でないことが確認されています。

抗菌ペプチドをいかに増やし、分泌させるかにおいては、発汗に伴うため、まずは運動が推奨されますが、もともとの生成力が弱い場合には、抗菌ペプチドを作るために必要な栄養が食事に足りているかを見ます。抗菌ペプチドを作り出すには、充分な量の脂質や蛋白質が必要ですが、近年、現代人に不足がみられ、かつ抗菌ペプチドの生成にも関わっているものに、ビタミンDがあります。

ビタミンDは唯一、人体で作り出せるビタミンとしても知られていますが、近年の研究では、このビタミンD量が不足している人が多くみられ、骨や皮膚の形成に影響しているのでは、と考えられています。また、外からビタミンDを皮膚に与えたところ、皮膚の免疫機能が復活した、という報告もあります。アトピー性皮膚炎においても、ビタミンDの外用効果が認められた、という報告もあります。

ビタミンDは脂溶性のビタミンで、オイルのなかには、ビタミンDを多く含んだものもあります。
たとえば、スイートアーモンドオイルや、バオバブオイル、オリーブオイル などが挙げられます。 肌本来の抗菌力を上げたい、と思ったら、こうしたオイルを使って、ビタミンDの補充うぃすることで、抗菌ペプチド量の向上が期待できるかもしれません。