日中の活動と運動

さて、睡眠においては、副交感神経優位の活動である、と説明しました。
それに対し、起きて、活動する日中の時間は、交感神経優位の活動のための時間である、といえます。
交感神経優位、というと、「興奮や緊張」を司る、という言葉から、非常にアグレッシブな状態であるかのように感じる方もあるかもしれませんが、そうではなく、もっとベーシックな部分での意味だと思ってください。
私たちは、非睡眠時、どうなっているか、というと、眠っていないわけですから、「起きている」、ということになります。この起きている、という状況を、もっと詳しく言えば、「意識をもった状態」になっている、ということです。
意識を持っている状態は、脳が活性化し、血流を促進させ、様々な神経も敏感になった状態です。これにより、私たちの、起きている時の呼吸量は、眠っている時よりもはるかに多くなっているのです。
筋肉運動をしていなくとも、意識を伴う脳活動が起きるだけで、私たちはかなりのエネルギーを使います。
大きな脳を持つ人間によって、感じたり、考えたりするために、脳を活動させることも、生命活動の一環だといえます。

さて、しかしながら、筋肉運動が全くなくてもいいか、というとそうではありません。
備わった肉体は、使われなければ機能は衰えて行きます。また筋肉の運動による負荷は、全身の血流を促進し、結果、全身の新陳代謝を支援する大きな役割をもちます。
筋肉を動かす運動神経は、私たちがコントロールすることのできる神経のひとつで、随意神経に属します。
これに対し、自律神経のようなコントロールできない神経を不随意神経と呼びます。
これらは、脳を中枢として、集められた情報に適宜対応し、肉体を守るよう働いています。
脳は、判断する場でもありますが、多くの神経が互いの情報交換する場でもあります。

日中の活動量が多ければ、早めに眠くなるのは、これらの神経が互いに独立しているのではなく、それぞれの役割を果たしているからに他なりません。
つまり、自律神経がバランスをとるためには、中枢となる時計遺伝子だけでなく、その個体自体のデータにもよるため、運動神経や感覚神経などから脳に集められたデータも関わっているのです。

よりよい睡眠には、それを誘う副交感神経への偏りが必要になります。これが充分にできないと、睡眠障害などの深刻な症状に繋がります。
副交感神経への偏りを起こすには、反対に交感神経側に傾く時間が充分にあることも必要です。
そのためには、脳活動だけでなく、充分な筋肉活動もあることが望ましいのです。

よりよい睡眠には、充分な脳活動と筋肉活動が必要なのです。


コラム スポーツのストレス緩和効果

よりよい睡眠は、ホルモン分泌を促進し、肌の生まれ変わりを促します。
とくに新しい細胞の生成に関わるのは、成長ホルモンとよばれるホルモンです。
しかし、実は、成長ホルモンの分泌は、睡眠中が主体ではあるが、日中の活動中においても、ゼロになるわけではないことが解っています。活動が活発に行われると、日中でも、分泌されるのです。
適度な運動が、若さを引き出してくれるのは、そのせいもあるのかもしれません。


さらに、適度な運動、つまり、心をすり減らして、競ったり、鍛えたりするのではなく、ある程度、心の余裕がある範囲で行うような運動、たとえば、同じ動作を同じ間隔で繰り返すような運動を行うと、脳内では、セロトニンというホルモンが分泌されます。
このホルモンは、心の安定をもたらすとされていて、精神の健康のうえで注目されるものです。

ストレスが貯まると、交感神経優位の状態を必要以上に維持してしまいます。
すると、交感神経優位の状態の継続は、皮脂の過剰な分泌に繋がったり、副交感神経が司る修復機能が充分に行われない、などの皮膚への影響が出てきます。このため、ストレスは美肌の大敵なのです。

セロトニンは、このストレスによる疲労を緩和する作用があり、ひいては肌にもいい、と結びつけられるのです。

このような気軽な運動、たとえばリズムにのって軽くダンスをすることなどは、体だけでなく脳にもいいわけです。
さらに、音などの刺激がなくとも、例えばウォーキングや、ジョギング、サイクリングも、同じ動作を繰り返します運動ですから、効果的だといえます。

運動にはインドア、アウトドアありますが、その都度気分にあわせて、スポーツも選ぶと、気晴らし効果もあってオススメです。