【アミノ酸】
 人間の肉体は、主にタンパク質で出来ています。皮膚組織を構成しているのもタンパク質が主成分です。ですから、健康な皮膚のためにタンパク質を食事で摂取することは大切です。
 特に、人間の体内では合成できない「必須アミノ酸」を含む食材をとることは大切なポイントです。アミノ酸とは、タンパク質の構成分子で、その種類は20種に及びます。そのうち、9種は人間の体内では合成することができず、食事で摂る事が生命維持のうえで必要です。
9種類のアミノ酸にはフェニルアラニン、ロイシン、バリン、ヒスチジン、メチオニン、イソロイシン、リジン、スレオニン、トリプトファンがあります。
    ・効率のよいタンパク源とは
     食事で摂り込んだタンパク質は、消化の過程で分解され、人体に必要な蛋白質に合成しなおし、使用されます。その際、人体で利用する形に近いアミノ酸組成になっているタンパク質ほど効率よく使用できることがわかっています。これをいわゆる「良質なタンパク質」と言ったりしますが、人体にとって良質かどうかを判断する上で、指標になるもののなかに「アミノ酸スコア」というものがあります。人体に必要とされる必須アミノ酸と、食品の必須アミノ酸の構成を比較した数値で100に近いものほど「良い」とされます。
    アミノ酸スコアが100とされる食品には、鶏卵、牛乳、アジ、イワシ、サケ、牛肉(サーロイン)、豚肉(ロース)、鶏肉(むね)、鶏レバーなどがあります。


    ・一日の摂取量
    タンパク質の1日の摂取量のめやすは、体重によって異なります。成人の場合、体重の1.1~1.2gとされています。
    例)体重50kgの人なら、男女とも55~60gのタンパク質が必要ということになります。

    ・サプリメントのについて
     化粧品にも配合され、近年では健康食品でも人気のあるコラーゲンもタンパク質の一種です。体内のタンパク質の30~40%をしめるとされていて、細胞や組織を繋ぎ合わせる働きをしています。また、骨にカルシウムが定着するのを助け、骨を丈夫にします。
     サプリメントなどでコラーゲンを摂取すれば、シワやタルミをたちどころに消してくれるように思いますが、口から摂取したコラーゲンは食品ですから、他の食物と同じように消化され腸管で吸収され、体内で必要な形へと変化し、使用されます。必ずしも気になる顔のシワやタルミを集中的に補修してくれるわけではありません。なにより、口から摂取したコラーゲンが人体内においても再びコラーゲンとなるとは限らないのです。
     ただし、摂取したコラーゲンから得られるペプチドが、損傷した線維芽細胞を刺激し再生を促進する働きがあることから、最終的に皮膚によい効果をもたらすことは考えられることです。また、効果的にコラーゲンの合成を促進するには、ビタミンCを摂取することが大切です。

    ・おすすめのタンパク質摂取法
    肉類、魚類、鶏卵などが、タンパク質を豊富に含んでいますが、脂質も多いため、量に注意します。大豆製品はタンパク質の割合が高く、おすすめです。しかし、こちらも偏った摂り方はしないように、野菜などと組み合わせて摂取します。



      【ビタミンA】
       ビタミンAは、上皮細胞のケラチン生成を促進させるため、粘膜や皮膚を丈夫にして、潤いを保ちます。ビタミンAは、脂溶性のビタミンです。そのため、油脂と一緒にとると吸収率があがります。ただし、注意するべき点があります。それは、あまりとりすぎるとかえって体にはよくない作用がある、ということです。ビタミンAとなる栄養素は、動物性の食物にも、植物性の食物にも含まれています。動物性食物に含まれるビタミンAは、レチノールとも呼ばれます。人体においても吸収率や利用率が高いのが魅力ですが、過剰摂取すると、蓄積し、神経に障害をもたらす危険性があります。動物性のビタミンA(レチノール)の摂取量には一日分の上限が設定されていますから、これを超えないように気をつけましょう。
       これに対し、植物性のビタミンAであるカロテンはどうか、というと、こちらは、人体に入ってから、必要な分だけビタミンAに変換されますので、動物性のもののように上限値は設定されていません。ですから、安心して摂取を心がけられますね。カロテンの豊富な野菜を油と一緒に食べれば、ビタミンAを補給することができます。

      ・サプリメントについて
      サプリメントなどで摂取する際は容量や原料などを確認しましょう。


      ・おすすめのビタミンA摂取法

      多く含む食品:レバー、チーズが代表的な食品ですが、緑黄色野菜(かぼちゃ、ニンジン、小松菜、etc.)、のりにも多く含まれています。日頃から、色の濃い野菜、海草類を摂取しておきましょう。
     

      【ビタミンC】
       コラーゲン生成に関わる、皮膚には最も重要な栄養素のひとつです。

      多く含む食品:イチゴ、ブロッコリー、etc. 
     
      【亜鉛】
      細胞内の化学反応の触媒として幅広く関わっているとされるミネラルです。コラーゲンの生成に関わるので、皮膚においては特に重要です。亜鉛の摂取量は、銅の摂取量と拮抗するので、亜鉛を多くとるときは銅の量にも注意するといいでしょう。

      多く含む食品:牡蠣、ゴマ、etc.