簡単ローションのレシピ

 では、肌のお手入れを見直すにあたって、最小限のスキンケアとはどんなものなのでしょう。最もシンプルなスキンケアといえば、ローションによるものでしょう。かつて日本の女性は、ヘチマ水というローションを作って、肌のお手入れに用いていました。これは、ヘチマの茎を、一晩水につけ、水にしみでたヘチマのカリウムなどの作用を利用したものです。

 現在では、一般的なローションは、主に水とグリセリンで作られた物です。水分がほとんどですから、肌に潤いを与えてくれます。さらに、グリセリンによって、肌の保水力はグンとあがります。

 しかし、いかにせん、水とグリセリンだけでは、機能的に乏しすぎる、と感じる方はクエン酸を加えてみてはどうでしょう。
クエン酸は、酸ですから、アルカリに傾いたPhを中和する働きがあります。肌は本来、弱酸性であるはずですが、この酸性度によって、皮膚常在菌の働きに影響が出ます。とくにアルカリ性に傾くと、酸性では難しかった黄色ブドウ球菌のような悪玉菌の繁殖がしやすくなるため、注意が必要です。
皮脂不足によって皮脂膜の形成がうまくいかない人の肌は、アルカリ性にかたむきやすいため、クエン酸を加えると、ローションが弱酸性になり、皮脂膜のPhが弱酸性であることを助けます。
皮脂膜だけでなく、皮脂と常在菌の状態も観察することも大切なことなのです。

最小限の成分で作られたローションで、肌がどのような反応をするのかを観察できるのも、シンプルスキンケアのいいところでしょう。

近年では、合成界面活性剤が皮脂膜の形成に悪影響がある、とする専門家もいますから、こうした心配な材料が気になる人にもシンプルスキンケアをすこしの間試してみるのはオススメです。
ただし、変質したローションはかえってお肌に悪影響をもたらしますから、品質管理はしっかりしておくことが大切です。